いくらあがいても轍が見つからない。
道に迷ってしまった。どうしたものか?
悪霊が取り憑き
荒野を彷徨わせようとしているらしい。
たくさんの悪霊たちが追いたてられる…
何を悲しげに歌っているのだ?
家の葬いか?魔女が嫁に行くのか?
(A・プーシキン『悪魔』)
19世紀。価値観が崩壊した帝政末期のロシア。
虚無と背徳のカリスマ、ニコライ・スタヴローギンという人物がいた。
社会主義、無神論、ニヒリズム…
ニコライを崇拝する政治的詐欺師・ピョートルは、反政府組織を作り社会の混乱を企てるが
印刷技師シャートフの離反をきっかけにおぞましい事件の幕が上がる。
ロシア革命の猛毒「ネチャーエフ事件」を描いたドストエフスキーの黙示録を漫画化。
EPIGRAPH
いくらあがいても轍が見つからない。
道に迷ってしまった。どうしたものか?
悪霊が取り憑き
荒野を彷徨わせようとしているらしい。
たくさんの悪霊たちが追いたてられる…
何を悲しげに歌っているのだ?
家の葬いか?魔女が嫁に行くのか?
(A・プーシキン『悪魔』)
CHARACTER
イワン・シャートフ
農奴出身の印刷工。ニコライの影響を受け、強い愛国心を持つようになる。
ニコライ・スタブローギン
明晰な頭脳を持つ美青年。虚無と背徳のなかで強烈なカリスマ性を放つ。
ピョートル
革命組織を指導する野心家でニコライを崇拝する。自称・政治的詐欺師。
キリーロフ
シャートフの親友。ニコライの影響で無神論者となり独特の死生観を説く。
ダーリヤ・シャートワ
シャートフの妹で資産家・ワルワーラ婦人の養女。ニコライを慕っている。
レビャトキン
妹のマリヤを虐待する大酒飲み。ニコライたちから金を得るため計略する。
著者プロフィール
ドストエフスキー(1821〜1881)
モスクワ出身。ロシアの国民的作家。処女作『貧しき人々』で文壇の寵児となるが、空想社会主義サークルとの関与でシベリアに投獄。出獄後は持病の癲癇に苦しみながら締切に追われる作家生活を送った。『悪霊』では実在した事件をモチーフに、西欧からの科学・思想に翻弄される帝政ロシアの葛藤と虚無を描いた。その他『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』等。
関連作品
『罪と罰』ドストエフスキー
※殺人は悪か?帝政末期に生まれた正義の怪物
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
※『罪と罰』と双璧をなす生涯最後の傑作
制作チームについて
バラエティ・アートワークス
「まんがで読破」シリーズの制作を目的に設立された著作会社。その他『歴史秘話ヒストリア』『タイムスクープハンター』漫画版および第5期TVドラマ脚本協力(NHK/ピクス)等。2013年解散。現在は後身のTeamバンミカスがシリーズを継続。
原作:ドストエフスキー
企画/漫画:バラエティ・アートワークス
電子版発行:Teamバンミカス
価格:配信ストアでご確認ください
配信日:2021年4月18日(電子版改訂)
形式:ePub
ページ数:194ページ
初出:紙書籍(イースト・プレス) ISBN9784781600222
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