古書店の街、東京・神田神保町。
神保町の代表的なグルメと言えば「カレー」ですが、古書店めぐりで腹ごしらえするなら、文豪ゆかりの名店を訪ねるのも一興です。
今回は、神保町・すずらん通りにある定番ランチ、江戸川乱歩が愛した天麩羅「はちまき」の天丼をご紹介します。
神保町「はちまき」は老舗の天ぷら店
「はちまき」の創業は昭和6年。高級料亭で修業した創業者の故・青木寅吉さんが屋台からスタートして、昭和20年に神保町の店舗を構えました。
手前はカウンター、奥はテーブルとお座敷。老舗だけど大衆向けにこだわる趣のある店内です。
多くの作家を育てた「二七会」
はちまき創業者の青木さんは、東京作家クラブの後援者でした。
昭和20年代には、「二七会」と呼ばれる会合がお店の2階で開かれていました。「二七会」とは、出版の校了作業がおちつく毎月27日に文士たちが集まった宴会です。
「二七会」の中心人物は江戸川乱歩。
江戸川乱歩の功績は、執筆だけでなく探偵小説の後輩作家を育てたことです。定期的に作家たちが集まって創作論や蔵本を共有する、それが現在の日本推理作家協会の設立につながります。
お店には、江戸川乱歩や井伏鱒二など、文芸界を代表する面々の写真や直筆サインが飾られています。
天ぷら「はちまき」の天丼
はちまきの看板メニュー「天丼」です。
揚げたての江戸前天ぷら(海老2本、キス、イカ、蓮根、ピーマン)は、外はサクサク、中はプリプリ。さらっとした甘辛のタレがマッチ。 ご飯の量を選べますが、大盛り推奨です。卓上にあるタレと、生姜のお新香でご飯がいくらでも食べられます。名店はご飯も美味しい。
「はちまき」のメニュー
「はちまき」の天丼は古書店めぐりの定番ランチ。今回は看板メニューの「天丼」をいただきましたが、丼から穴子の天ぷらが飛びだす、ド迫力の「穴子海老天丼」も人気です。
- 天丼 800円
- 野菜天丼 800円
- 海老天丼 1,000円
- 穴子海老天丼 1,500円
- 松天麩羅重 1,900円
老舗の名店ですが、お財布にやさしい大衆価格。ランチはすべて税込み、大盛り無料です。
神保町という立地もあって、お昼休みの会社員や学生さんで大盛況でした。
はちまき
gfyg100.gorp.jp
東京都千代田区神田神保町1-19
三田線・半蔵門線【神保町駅】徒歩2分
JR【御茶ノ水駅】徒歩5分